登山者が山を汚染している排水処理の問題

日本中どこの山でも、登山者が増えています。

登山は比較的に安易にでき、日常の喧騒から離れてマイナスイオンを取り込み、ストレス発散して過ごすには格好の趣味になります。
低い山から高い山まで、登山者は次々と目標を定めて、登山を敢行します。
登山客が増えることで、地域の観光業は潤うことにもなり、多くの場合は歓迎されます。

一方で山奥の観光設備が整っていない山では、登山客によって悩まされている現状もあります。
その多くを占めるのはトイレの問題とゴミの問題です。
登山を趣味としている人なら、山の上にトイレが設置してあるのは、見たことがあると思います。
しかしそのトイレは、下水道に繋がっているわけではありません。
浄化槽が設置されていると思いきや、そんなこともないんです。

山の上での排水処理は、ほとんどが地下浸透方式、放流方式、穴埋め方式の3つに分かれます。
つまり山の地面に排水を浸透させて処理をする場合、少なからず排水は地下へ浸透していることになります。
放流方式というのはわかりやすく言えば、排水をそのまま山の斜面に流してしまうのです。

穴埋めというのは溜まった排水は地中に埋めてしまうことです。
山の上での排水処理は、排水を放置して、自然の微生物の分解に任せているのが現状です。
だから山にトイレが設置してあってよかったね、と大勢の登山客がトイレを利用する分だけ、山はどんどん排水により汚染されていくのです。

そんな下水道もなく汲み取りもままならない山に、大勢で登山に出かけている人々は、ゴミの回収すらもせず放置していくことがあるからお手上げです。
登山というのは楽しいのかもしれませんが、人里離れて設備も何もない山であるほど、登山客はトイレの使用によって環境汚染をしまくっていることは、念頭に置いて行動すべきでしょう。

最近はバイオトイレという、微生物の働きを最大限に活かしたトイレの設置が進んでいるそうです。
バイオトイレにより排水処理の効率を高めることで、環境を守ろうという試みなのです。